浮気するほど暇じゃない

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ゆっくりとお話する男性。

声の感じからして60〜70歳だろうか。

電話越しでは奥様と確認をしながら面談の予約を確かめる。


娘の夫が浮気しているとのこと。

夫が自宅にボイスレコーダーを設置して出かけていたことが発覚したとのこと。


お父様からのご相談でした。


もしかしたら自宅に盗聴器も仕掛けられているのではないか？

自宅にいながら気持ちが悪い。


これは厄介な調査になりそうだ。

夫は自営業で、いつ帰宅してくるかわからないのだ。

ま、でも仕掛けられているかどうかは家の近くであれば屋外でもすぐにわかる。

問題は仕掛けられていた場合。

その場所の調査と取り外し中に帰宅されたらどうするか。


ということで、これは夫の行動調査とともにやらなければならないのではないだろうか。

調査員に夫を尾行させつつ、自宅の盗聴発見。


帰宅しそうになったら調査員から連絡をもらえばいい。

ついでに浮気相手の女性と会ってくれれば一石二鳥だ。



いくつになっても子は我が子。



娘と夫だけではなく、夫の親との戦いだ。

結婚した時の両親の喜びを、浮気一つでなくすことになる。

それはわかるけど、娘本人からの相談が欲しい。


気持ちはわかるけど、親は介入すべきではないと思う。

娘は本心で意見を言えるだろうか。

親の気持に配慮して遠慮とか我慢してしまわないだろうか。

とりあえず、面談に行ってこよう。




毎日のように離婚の危機にある夫婦の話を聞いている身としての職業病。

ふと、我に返ることがある。


何で結婚してるんだろう？(笑)


何かこう、人それぞれが、家族それぞれが、独自に思い込んでいる『幸せな家庭像』というのがあって、それに強引にはめ込もうとして無理が生じているような気がする。

『会社に勤めて30歳過ぎて家を購入するのが幸せ』

これが幸せ、と思い込んでいるのと同じように。

え？幸せじゃん！

という人にはわからないと思うけど。


他と比べるものでもないし、二人でつくっていくものだと思うし、浮気することよりも楽しいものを知っている男(女)と出会い、それが何なのか一つ一つ噛み締めながら二人で共有して暮らせればいいのにな。

でも、現実逃避癖のある性格の人は浮気しちゃうんだよね。

本質は何も変わらないのに、一時の開放感を求める。


ああ、自分には時間が勿体無いわ。


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