老犬が女性の凍死から救う

サンスポより


極寒の空き地で一夜を過ごした認知症の女性（７３）の命を救ったのは、老犬だった。５日朝から行方不明だった茨城県東海村の女性が、６日午後に同県ひたちなか市内で無事保護されていたことが７日、分かった。発見時、体長約１メートルの老犬が、軽装であおむけに横たわる女性にピッタリと寄り添っていた。老犬は女性の飼い犬ではなかったが、茨城県警は「犬の体温で凍死せず助かったのでは」と話している。



　「おかげで寒くなかった」。女性がこう言って頭をなでると、“ご主人様への忠誠心”を超える行動をみせた老犬は、なついた様子でひざに飛び乗り、しっぽを振った。

　ひたちなか西署によると、５日午前７時半すぎから行方不明だった茨城県東海村の認知症の女性（７３）が見つかったのは、６日午後１時ごろ。自宅から約５キロ離れた同県ひたちなか市の六ッ野公園近くの空き地で、車で通行中の男性が発見した。

　女性は薄手のセーターにジャンパー、スラックスという軽装。ひざを立ててあおむけに横たわり、上半身には体長約１メートルで白黒まだら模様の老犬が寄り添っていた。

　老犬はオスの雑種。男性が同署に女性と老犬を送り届けた。老犬は事情聴取中も女性の足下にじっと座ったり、ひざの上に飛び乗ったり。女性は「この犬といたから夜も寒くなかった」と感謝を口にした。

　６日の午前６時半ごろには、ひたちなか市に隣接する水戸市で、この冬一番の寒さとなる（同日現在）氷点下２．２度を記録。それでも、女性の健康状態に問題はなく、同署では「犬が湯たんぽ代わりになり、凍死を免れたのでは。体調も大丈夫だし、奇跡的だ」と驚きを隠せなかった。

　女性は同署で「自分の犬だから連れて帰る」と主張したが、家族が「ウチには他の犬がいて、この犬は違う」と説明。極寒の野外で温めてくれた老犬を残し、女性は家族とともに帰宅した。

　一方の老犬は、同署員が調べると首輪はついていた。ただ、飼い主を特定する鑑札がなく、条例上では野良犬扱いとなり、正規の手続きでは薬殺処分の運命だ。

　しかし、捜査関係者らから「人の命を助けたのに、薬殺はかわいそう」との声が浮上。同署は「人なつっこく、体の汚れもないから、野良犬の可能性は低い。自力で飼い主のところに戻るかもしれない」として、温情を込めて六ッ野公園に放すことにした。

　同署は感謝状代わりにドッグフードを老犬に食べさせた。女性と一夜を過ごした空き地近くに舞い戻った老犬は、連れてきた同署員のそばで「しっぽを振りながらなかなか離れようとしなかった」という。７日の六ッ野公園は“忠犬の美談”を知った報道陣でにぎわったが、行方は分からなかった。


★“忠犬”引き取りたい！ひたちなか西署に電話殺到

　水戸市消防本部は「氷点下の中、軽装でじっとしていたら、２〜３時間程度で凍死していた可能性もある」と説明する。女性が発見されたひたちなか市の動物病院の院長（３７）は「犬の体温は３８〜３９度」とした上で、「（女性が）犬に話しかけたり、一緒に遊んだりしながら、気力をつないでいたのでは」と指摘した。

　ひたちなか西署には７日、“忠犬”の存在を知った市民らから「老犬を引き取りたい」との電話が殺到した。


◆漫画家の弘兼憲史氏
　「犬と人間は大昔からの付き合い。合理化ばかりを推し進める今の社会に、老犬は『情』や『忠誠心』の大切さをメッセージとして送ったのかも。条例上は違反でも警察の判断は、温かい処置で良かったと思う」









『温情』があって良かった。



老婆を噛み殺す犬もいる。

今回のように、一夜を共にして温めてくれる犬もいる。




鑑札の無い犬は、すべて殺処分が『条例』。

条例なんぞ、一部の人間が決めたこと。

人間が、人間のためにつくったもの。




地球規模で考えれば、人間は生物の一部。

人間は、

己の経済活動の果てに地球を壊している。


地球上の全ての生物が会話ができる能力があるとして、

みんなで会議をして法律をつくったら、

『人間』というだけで間違いなく『殺処分』だろうね。



人類のみならず、生物存続のためだから。










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