大和
2007年12月14日
するの?しないの?〈決断〉
去勢をするのか、しないのか。
悩み続けていたある日。
私は、築地を歩いていました。
すると、
横断しようとしていた道の反対側に、
ちょっとおしゃれな中年女性が
黒のラブラドールを連れていました。
犬と目が合い、
横断したら、飼い主さんに声を掛けようかと思っていた途端、
その黒ラブ君は、
女性の太腿にしがみ付いて腰を振りはじめました。
「ちょっと!」
「ちょっとあんた!」
あんた?
公衆の面前で、
黙々と腰を振り続ける黒ラブ君。
飼い主さんの女性には、お気の毒な光景でしたが、
お蔭様で私は、
この光景を見て、決心がつきました。
そして時は、生後7ヶ月。
ちょど、前回の骨折で、ピンを抜く手術が迫っていました。
どうせ、全身麻酔をするのですから、一緒にお願いすることに。
手術を翌日に控えていたこいつは、
まるでその事をわかっているかのように
しきりに自分の急所をいたわっていました。

当日、病院に連れて行き、
翌朝迎えに行くまでの間、
何だか自分はとんでもない事をしている感情に襲われました。
本来の生殖機能を、人間の都合で、奪っていいものだろうか。
それまでの、好奇心旺盛な性格が、
別人(犬)のように変わってしまわないだろうか。
思わず、涙を流しながら、自分の急所を握り締めました。
ごめん。
(どんな光景なんだか)
翌日、
ラッパ姿のこいつに再会しました。

傷口を舐めてしまわないように、との対処だそうで。
色々、悩んでいましたが、元気な姿を見たら、
それまでの悩みが不思議と吹っ切れていました。
一度の繁殖で6〜8匹も生まれる犬。
そう。
自分に多頭飼いは無理。
最初から性欲なんて知らない方が、きっといいに違いない。
今や、1歳10ヶ月のこいつ。
無駄吠えしない。
足あげおしっこ(マーキング)はしない。
誰(人間、犬)に対しても友好的。
本当は、しつけでできたのかもしれないけど。
30kgのラブラドール。
オスなのに、
座りしょん。


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